薬屋の客

2004年7月23日 エッセイ
第二弾

注射器を買いに来た客がいる。
普通、薬局には置いてないんだが、だいたい、注射器なんて、何に使うと思う?

一回、断ったんだが、何日かして、また、やって来て、注射器を仕入れといてと言ってくる。

そこくらいまでは、まだ穏やかだったんだが、

また、しばらくして、夜にやって来る。

突然「なんで、注射器置いてないんだ」とわめき立てる・・・

はい、あきらかに、ヤク中です。
なんとかお引き取り願う。

困った客というと、こんな人もいた。

夕方にやって来て、耳鳴りに効く薬はないか?と尋ねる。
話を聞くと、朝から一日パチンコやってたら、パチンコ屋の
音楽が耳について、眠れないんだそうだ。

つける薬はない。

軽めの睡眠促進剤は扱ってたんだが、これも常習者は、悲惨だった。
旦那が失業中で家計は火の車なのに、毎日千円以上の薬を買ってく・・・

社会の裏側を毎日のように見せられていた日々。

コメント